TOMONI
GO TO 2100 ともに生きる江戸川区

第7回
えどがわ未来カンファレンス

2021年12月20日

令和3年12月20日、「第7回えどがわ未来カンファレンス」が開催されました。今回も新型コロナウイルス感染症の状況に鑑みて、オンラインでの開催となりました。

第7回 えどがわ未来カンファレンス

10月以来の開催となったカンファレンスには、

  • 宗家花火鍵屋15代目・天野安喜子さん
  • 東京大学大学院情報学環特任教授・片田敏孝さん
  • 国連の友Asia-Pacific代表理事・金森孝裕さん
  • 車いすラグビー選手・壁谷知茂さん
  • 明治大学経営学部公共経営学科教授・菊地端夫さん
  • フリーアナウンサー・久下真以子さん
  • アゼリー江戸川チーフマネージャーのグリズデイル・バリージョシュアさん
  • 思考家・白土謙二さん
  • 講談社FRaU編集長兼プロデューサー・関龍彦さん
  • オランダ語教師・翻訳者のハンス・デ・モスさん
  • 東京大学教養学部環境エネルギー科学特別部門客員准教授・松本真由美さん
  • 会社員の山本華菜子さん
  • デザイナーのライラ・カセムさん

(五十音順)

の13名の委員が参加し、共生社会の新たなビジョンの策定につながる新たな方向性やアイデアなどについて、委員と座長を務める斉藤猛江戸川区長が議論を展開しました。

江戸川区からの報告

  • 江戸川区では20年ぶりの策定となる長期ビジョンとして、「(仮称)共生社会ビジョン」と「(仮称)SDGs=共生社会ビジョン」を作成中であることを報告しました。
  • 2021年7月に制定された「ともに生きるまちを目指す条例」の理念を広く区民の皆様に知っていただくため、2分程度のオリジナルPR動画を作成し、公開したことを報告しました。
    (オリジナルPR動画はこちらから)
    https://www.youtube.com/watch?v=CsEJNzH_194
  • また、これまで仮案として示していたエンブレム・スローガンが完成したことを報告しました。ポスターも作成し、区内の施設などに掲示して区民の皆様にも見ていただく機会を増やしていくことを説明しました。
江戸川区からの報告

各委員の意見

「ともに生きるまちを目指す条例」オリジナルPR動画

  • 誰にでも分かりやすく理念が伝わる。とても良い。
  • とても懐かしい感じがする。すべての世代に伝わる。
  • 江戸川区だからこそ出来ること、江戸川区だからこそやらなければならないことがあるという区の想いが詰まっている。
  • 谷川俊太郎の詩「20億光年の孤独」を思い出した。懐かしい未来に向けた第一歩を示すものになる。
  • 言葉だけでなく喋っている人のトーンを伝える「手話」をつけてもよいと思う。

共生社会ビジョンの内容

  • 区としてはまず2100年という遠い未来の話をする。それを達成するためのマイルストーンとして2030年までの目標をたてるという位置付けになると思う。
  • 成り行きの未来と目指すべき未来の相克は過去にもあったが、人々はビジョンを作り様々な取り組みを行い、成り行きの未来を回避してきた。江戸川区も同様だと思う。2100年という遠い未来について誰もが責任を持てないが、ビジョンが持つ力を実績とともに示すことができると信頼性が増すと思う。
  • 引き算の理論やセクター間の未来に向けた役割分担にも触れていく必要がある。
  • ビジョンは、理念の額装化にしてはならない。ビジョン策定の目的は単なる情報発信ではなく、「条例の理念の具現化」である。
  • ビジョンの内容を具現化するため、言葉をまとめるだけではなく、体制や予算も含めた実現可能な計画性が重要である。
  • 優先順位を付けることが重要。ビジョンの哲学は、優先順位の付け方によって試される。
  • 行政手法では解くことが難しい課題も多くある。そのために斬新で柔軟なアプローチができる、これまでとは違うタイプの協力者やスキルを持った人を作り出す必要がある。
  • SDGsのアジェンダの冒頭には、「我々の世界を変革する」とある。今までの仕事のやり方を今日からすべて変えるということ。失敗を恐れず、新しい手法にチャレンジして欲しい。新たな手法に世界や日本の人々が関心を持ち、参加したいという人や企業が集まってくる。
  • 多くの人が将来に対して漠然とした不安を抱えている。しかし江戸川区にいれば何とかなると思えるような「不安のない江戸川区」を表現するとよい。
  • 外国人や障害者などの表記について、「外国生まれの方」や「障害のある方」などにしてもよい。
  • 「ともに生きる」は、とても分かりやすい反面、とても曖昧になる。それを改善するには、区が何を信じて「ともに生きる」と発しているのかを伝える必要がある。
  • 人はどんな立場であれ、必要とされたいと願うもの。例えば、江戸川区は「人の力を信じている」ということを発信する。だからともに生きたいという。そうすれば、多くの人にもっと響くと思う。

共生社会ビジョンの活用方法

  • ビジョンは出来つつあるが、その計画にどのようにして人を参加させていくかがこれからの課題である。
  • 小学校の高学年から分かるように作っているのは素晴らしい。未来を作っていくのは子どもたち。教育の場にも取り入れて、若い頃から意識を高めることはとても意義がある。区を挙げて取り組んで欲しい。
  • 「ともに生きようね」という程度のレベルでは気付かないことがたくさんある。ビジョンをフル活用した授業やセミナーなどを多く行い、考えていくことが重要である。

全般

  • 共生社会の取り組みなど、素晴らしいことを行っているのだから、区として自信を持って欲しい。
  • 疫病のようなものは海外からやってくるから海外からの入国を止めるという社会の風潮の中、江戸川区の共生の取り組みが、このような社会への投げかけであって欲しいと強く感じる。
  • 区民の声を行政に届ける仕組みとして、ボストン市では特定の“#”(ハッシュタグ)と課題のある場所の写真を付けてツイッターに投稿すると、行政がリアルタイムで見ることができるシステムを構築していた。
  • 誰一人取り残さないというのはかなり難しいが、コミュニケーションに関しては今すぐにできる。目が見えない人、耳が聞こえない人、日本語が分からない人は現実にいる。
  • サステナブルやSDGsのヒントは、ローカルにある。江戸川区にもみんなが学ぶべきものがたくさんある。
  • 脱炭素と超高齢化社会の流れの中で、電動コミュニティバスの普及を進めていくべきである。
  • SDGsに欠如しているのは「文化」である。地域の結びつきを強めたり、価値を再認識したり、魅力を高めたりするには「文化」の力がとても有効である。18番目のゴールとして考えてもよい。
  • 動画や絵本、エンタメやアートなどを使い、キモチのいい発信をすることで、反応する人が生まれ、意識の高い人が集まる。外国からは見学に来る。そして人が育ち、まちが育つという好循環が生まれる。
  • 国際交流の場作りなどの方向性は良いが、少数しかいない国の人の参加を求めるのならば、積極的に発信していかなければ情報が届かない。
  • 多文化共生を進め、国際共生のまち江戸川のイメージ付けにより、交流人口・定住人口を増やし、将来的には人手不足解消や経済的なメリットに繋げていくとよい。
  • 若い人はメリットを求めて動くことへの嫌悪感があると感じていたが、社会人になり、人を動かすには何かメリットがないと第一歩を踏み出すきっかけにならないと感じている。
  • SDGs17ゴール達成に向けて参画の仕組みを考えていると思うが、メリットを提示することも大切である。
  • ともに生きるまちを作るのに必要なのはアクティブシチズンを作ることである。
各委員の意見
各委員の意見
各委員の意見