令和3年10月20日、「第6回えどがわ未来カンファレンス」が開催されました。今回も新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みて、オンラインでの開催となりました。
9月に続く開催となったカンファレンスには、
- 宗家花火鍵屋15代目・天野安喜子さん
- 総合内科専門医・おおたわ史絵さん
- 車いすラグビー選手・壁谷知茂さん
- 明治大学経営学部公共経営学科教授・菊地端夫さん
- フリーアナウンサー・久下真以子さん
- アゼリー江戸川チーフマネージャーのグリズデイル・バリージョシュアさん
- オランダ語教師・翻訳者のハンス・デ・モスさん
- 株式会社W TOKYO 代表取締役社長・村上範義さん
- 乃木坂46・山崎怜奈さん
(五十音順)
の9名の委員が参加し、共生社会の新たなビジョンの策定につながる新たな方向性やアイデアなどについて、委員と座長を務める斉藤猛江戸川区長が議論を展開しました。
江戸川区からの報告
-
各委員からの提案も参考にしながら制定した「ともに生きるまちを目指す条例」が、委員に共有されました。また、この条例が8月15日の広報誌に掲載されると、区民の方々から「温かで分かりやすく心に響いた」という主旨のお手紙が届いたという、心温まるエピソードも紹介されました。
加えて、条例の理念をわかりやすく区民の皆様に伝えるため、『ものがたり』と『絵本』の形で制作を進めていることを説明し、『ものがたり』は間もなく完成予定であることを報告しました。
- 区の新たなエンブレム・スローガンについても、暫定版を各委員にご覧いただき完成目前まで進捗していること、現在は区民の皆様のご意見を頂戴していることを報告しました。
- 区が5月に内閣府から「2021年度SDGs未来都市」に選定されたことを報告しました。
- 区として20年ぶりとなる長期ビジョンの作成に取り組んでいくことを報告しました。
各委員の意見
ともに生きるまちを目指す条例
- 2100年までの時間軸を設定した条文は、日本で最も長い時間軸の条例ビジョンとなる。将来にわたって取り組んでいくことの根拠になるのではないか。
- 2100年の将来世代を「受益者」として捉えるのではなく、政策立案の「主体」として取り込んでいく必要がある。
- 「80年後の江戸川区民が何を望むのか」を想定しながら議論していくべき。
- 条例を実際に区民の実生活に落とし込む方法を具体的に考えられていけるかが気になる。
共生社会
- 視覚障害者のためのラジオや聴覚障害者のためのネット番組・LINEなど、本当に役立つ放送のためのマルチメディアの放送局を江戸川区が持つとよいのでは。
- 区内の避難所が「車いすで利用可能か」がネット上で検索できなかったり、車いすで受診できる病院が限られていたり、安心して暮らせる街になるために足りない部分がある。
- 建築の申請に「バリアフリー化」に関する項目を設けたり、バリアフリーに長けたアドバイザーに入ってもらったりすることで、バリアフリー化が促進できる。
- 働く意思があるのに働けない障害者のために、区がサポートしていってほしい。
- 障害を持つ子どもも一緒に学べるインクルーシブ教育を、もっと早いペースで進めていくべき。
パラスポーツ
- 「江戸川区といえばパラスポーツ」というブランディングを推し進めていきたい。
- パラリンピック22競技“できる”宣言など、多くのパラスポーツ競技ができる環境を活かし、全国障害者スポーツ大会の一部を江戸川区で開催してみては。
- パラリンピックの開催で「パラスポーツが、いつ・どこで・何ができるのか知られていない」と感じたため、メディアを巻き込んだ積極的な情報発信を。
若者の力の活用
- 現代の若者は「社会貢献」で幸福感を覚える人も多い。「ソーシャルメディアを駆使した地域のコミュニティ」を作るなど、若者の特性をふまえた参加方法を構築することが必要。
- 区のボランティア活動をインスタ映えさせる仕組みを作ったり、SDGsの取組みを生活に取り入れている人たちをスタイリッシュに表現したりするのもよい。
区のあり様
- 公園や緑の多い江戸川区の特性を活かした、「インクルーシブ・プレイグラウンド(インクルーシブな公園)」を増やしてみるのも面白い。
- 「地下まで続くスロープ」など、駅をはじめとした公共施設をもっとアクセシビリティが考えられたつくりにしてみては。
- バスの中や駅の構内など生活のライフライン周りに、周知すべき情報を置きに行くことで、より多くの人に伝えられるのではないか。
- ジェンダー平等を考えるのであれば、江戸川区の男子トイレ全部におむつ替えスペースを設置するなどのハード面の強化によって、男性の育児も推進すべき。
災害対策
- 避難所での生活は「トイレ」「食事」「おむつ」がネックになると考えている。避難した全員が避難「後」の生活を想定できるように、必要な物資を発信できる体制の確保を。
- 堤防も、ステップ型にしてそれぞれのステップにビルを建てたり、堤防の中に駐車場を造ったりすることで有効利用できる。
- 普段はスポーツができ、水害の際に水が流れ込むような遊水地を造ってみては。
- 避難所マップに、区が取り組んでいる防災対策の情報も書き込むべき。
- 有事の際には、日本語がわからない外国人の不安を和らげるために、携帯型の自動翻訳機は非常に役立つ。