実家に一通の手紙が届いた。差出人を見ると、私が小学六年生の時の担任の先生からで、読むと、どうやら母親が数年前に文通をしていたらしく、思い出して久しぶりに送ってくれたそうだ。うちの母にはこういうところがある。
江戸川区の保育園に勤めていた私の母は、明るく、パワーがあり、世話焼きな人だった。27歳で実家を出て、同期の芸人とルームシェアをしていた私に、実家を出てからわずか半年で仕送りをしてくれた。もちろん同居人の分もと、大量にパンや味噌汁を持ってきた。恐ろしいことに本当に字面通り、千葉のコストコに行った帰りに豊島区まで車で持ってきて、渡して、江戸川区に帰ったのだ。
「お姉ちゃんのところにも行こうと思ってたんだけど、今日いないらしいからねぇ。」
ちなみに当時の姉の家は世田谷区だ。
そんな母の性格を一番実感したのは、本人の葬式だった。遺言では「この人とこの人にはこのLINEで伝えて」など事細かに世話が焼かれていて、その通りに連絡をした。だが、母の思惑とは裏腹に、どうしても参加させて欲しいという方がかなりの数になった。大半の方が「都留さんはいつも明るくて元気をもらっていました」と言ってくださった。驚いたのはそのグループの多さで、母の同級生、私の小学校の頃のママ友、中高の頃のママ友、最初に勤めた保育園の先生たち、最後に勤めた保育園の先生たち、がん体験者の会の方、コーラスグループの方など、とにかく様々だった。きっと母は分け隔てなく、積極的に人に関わっていたんだろう。そして色んな人に母親をしていたんだろう。改めて母の偉大さに脱帽した。
さて、今年の7月、私は結婚した。妻は私のことをSNSで知ってくれたらしい。私はもともとTikTokでバズり、インスタで広まり、それがきっかけでテレビに出させてもらうようになったわけで、誰かが広めてくれたお陰で、妻と出会えて今がある。その誰かには、江戸川区で共に育った友人もいれば、母もいるし、おそらく母が「うちの息子です、よかったら広めてください」とお願いしたであろう、たくさんの知り合いの方々もいる。そんな皆様の支えがあって、これを書いた5日後には晴れて結婚式だ。
きっとこのタイミングでこのエッセイのお話をいただき、先生からの手紙が届いたということは、出不精で面倒くさがりな私に、母が「もっと人と関わりなさい」と言っているに違いない。封筒と便箋を買って、まずは先生との共生をしてみようか。
1994年6月3日生まれ 東京都江戸川区出身。
趣味は銭湯めぐり、読書。
2018年に、中学校の同級生である尾身智志とお笑いコンビ「ラパルフェ」を結成。
特徴を捉えたものまねに定評があり、そのバリエーションは30種類以上。
レパートリーに、阿部寛さん、森泉さん、ウッディなどを持つ。
YouTubeチャンネル『ラパルフェの俺がついてるぜ』の登録者数は約19万人。再生回数720万回超の動画もあり、人気上昇中。
CX「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ2022」優勝、「R-1グランプリ2023」ファイナリスト進出。
江戸川区は、「ともに生きるまち」を目指し、今後さまざまな取り組みを行ってまいります。
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