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未来へのヒント

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そこにいるのが“当たり前”だと安心してほしい

 声優として数々の名作を彩ってきた木村良平さん。今回、江戸川区が制作するクイズコンテンツのナレーションを担当していただきました。そんな木村さんは、江戸川区生まれ江戸川区育ち。そこで江戸川区の魅力や、ご自身が声優として「他者」を演じる際のこと、さらには多文化共生との向き合い方など、自分とは異なる様々なことと、どう接しているかをお聞きしました。

木村さんのご経歴をお教えください。

3歳で劇団ひまわりに入団し、
気づけば声優の道へ

 僕は江戸川区生まれ江戸川区育ちなんですよね。幼少期から芸能活動をしていたこともあって、中学校からは遠方の学校に通いましたが、ずっと住んでいました。
 芸能活動は、3歳で劇団ひまわりに入団したことがスタートです。それからずっと映像や舞台に立っていましたが、物心がつく前から声だけの仕事はしていて。高校生の頃、声優の方に気持ちが向いた時期があり、そのうち仕事も増えてきて、今に至ります。
 江戸川区は、子どもの頃の思い出がたくさん詰まった場所です。通った学校はもちろん、区内の色々な公園や、葛西臨海公園にもよく行きました。大人になってからは、友達と集まって江戸川区花火大会を見ながらお酒を飲むのが恒例行事みたいになっています。

お仕事をされるなかで「他者」をどう演じていますか?

そのキャラクターを理解することから、
受け入れが始まる

 声優の仕事というのは、顔を出す演技の仕事と違って、自分とは思いっきり異なる存在になりきる場面があります。ドラマや舞台だと、体格や年齢など見た目に合った役柄になることが多いですが、声優だと体格や年齢はもちろん、地球人以外にも、むしろ人間以外にもなることがあります。演じるには、そのキャラクターを理解することから始まるんですよね。そういう意味では、他者というか、異なるものを受け入れることに慣れている気がします。
 今は声優だけでなく、舞台やYouTubeのお仕事もする中で、他の業種の方と交流する機会も多くあります。別業種の方と話していると、ベースの常識や考え方が違うと感じることがありますが、その違いを知るのがけっこう好きで。自分とは異なる業種の方との出会いによって、世界が広がっていく感覚があります。

自分とは異なるバックグラウンドを持つ方とのコミュニケーションで、意識されていることは何ですか?

 もともと異なる文化を知ることが好きで、海外映画を観たり、海外に行ったりして思うのは、当たり前が違うというところです。日本で暮らしている外国の方は、同じように違いを感じていると思います。外国の方とのコミュニケーションで、日本人が躊躇してしまう気持ちはわかりますし、僕もそういう感覚を持っていると思います。ただ逆を考えたときに、自分が外国に行って受け入れてもらっていると感じると、とてもうれしいですよね。母国で異国の人に会うより、異国に行ってその国の人に会う方が、恐れがあるはずです。相手を自分に置き換えて接することは大事だと思いますね。

 「日本に来てくれてありがとう」というまでの態度を取る必要はないかもしれませんが、「あなたはそこにいて当たり前の存在なんだよ」というふうに接するだけでも安心してもらえるのではないでしょうか。好意的に接しようとすると、積極的に動かないといけないし、責任も伴う気がしてしまいますよね。当たり前にいるというふうに接することが、良い意味で無責任に共生する一つの手段なのではないのかなと思っています。

「表現」する際に、大切にしていることは何ですか?

言葉の強さを意識して、相手のことを考える

 声優として気をつけている「声」による表現では「言い方」を大切にしています。やわらかい言葉の場合は、思いの通りに伝えればやわらかく聞こえます。でも今回、クイズ問題の中にあった「選べ」といったような強い言葉の場合、そのまま読むと、相手は言葉が持つ強さをそのまま受け取ってしまいます。だからこそ、強い言葉の場合は、あえてやわらかい声で伝える。これは意識しすぎると変に聞こえてしまいますが、ほんの少しだけやわらかく発してみようと思えば、相手に気持ちよく伝わるものです。

 あと意外に大切なのが、話すスピードです。自分が緊張してしまったり勇気がいることを言ったりするときは、どうしても早口になってしまいます。大切なことでも急いで伝えようとすると、ひょっとしたら相手に軽んじられてしまうかもしれません。だから急がずに、しっかり伝えようと思って、ゆっくり話せば、その思いが音に乗って、相手にきちんと伝わります。
 もし自分で練習するなら「脳内すごく話を聞きたい人」を想像してみてください。自分で“脳内すごく話を聞きたい人”になって、自分で自分に質問する。それに答える。その繰り返しで、話し方や説明の仕方は上手になっていきますよ!

木村さんは、なぜチャレンジし続けられるのでしょうか?

何かを面白がることの繰り返しが
新しいことにつながる

 僕は、意識してチャレンジしなければいけない、とは思っていません。ただ、いつも何か違うことをしたいという気持ちがあります。小さなことで言えば、行きと帰りで違う道を歩きたい、なんてこともあります。最近、自動車免許を取得したのですが、これも元々興味はなくて。でも犬を飼い始めたことがきっかけで、一緒にどこかへ行きたいなと思ったことが理由です。一つのことを始めると、また新しい一つが始まる。チャレンジというほど大げさではありませんが、そういうサイクルなのかなと思います。

 きちんと計画立ててチャレンジする訳でもありませんから、明確な目標もありませんが、「木村良平っていつも楽しそうだな」と思ってもらえる人でいたいな、とは思います。エンターテインメントの世界で生きている者としては、僕を知ってもらったり、声でも演技でもふれてもらったりすることで、その方の人生が少しでも豊かになればいいなと思っています。

クイズに挑戦される皆さんへメッセージをお願いします。

 江戸川区のクイズコンテンツのナレーションを担当して、江戸川区で生まれ育った僕ですら知らない江戸川区の取り組みを知れましたし、いいなと思うことがたくさんありました。このクイズ、ある意味では「江戸川区自慢」です。自慢できるものは良いものであって、クイズに挑戦される方は、そういった良いものに触れようという前向きな気持ちで人生を歩まれている方だと思います。このクイズは、ご自身や周囲の方に有益な内容かもしれませんし、友人と話す際のウンチクとしても使えるネタのはず。ぜひクイズにチャレンジして、それをきっかけに、新しいことにふれるサイクルを始めてみてください!

江戸川区のクイズは<こちら>から
チャレンジいただけます

プロフィール

三遊亭好青年

木村 良平(きむら りょうへい)

1984年7月30日生まれ。
劇団ひまわり所属。3歳で劇団ひまわりに入団。
子役としてテレビ・CM・舞台、声優としても多数の吹き替え作品に出演。
声優としては、2009年『東のエデン』の滝沢朗役で初主演を務める。
その他の出演作に、『黒子のバスケ』『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』『ULTRAMAN』『陳情令』などがある。
オフィシャルX(旧Twitter):
https://mobile.twitter.com/Ryouhey_Drunk

オフィシャルYouTube:
https://www.youtube.com/@user-lh3jl1hs7d