未来へのヒント

初の“ヨーロッパ出身落語家”三遊亭好青年が考える「住みやすいまち」とは？

　山崎怜奈さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」にて、期間限定コーナー「誰かと話したい2100年ミライのまち supported by 江戸川区」を放送中。2か月に一度、江戸川区とゆかりのあるゲストが登場し、あらゆる人がともに生きる、未来のまちの姿についてお話を伺いながら、江戸川区のみならず、日本、そして未来の住みよい世界について一緒に考えていきます。

　12月18日（月）の放送では、ゲストにスウェーデン出身の落語家・三遊亭好青年さんを迎え、落語家になった経緯や「住みやすいまち」を目指すために大切なことを語っていただきました。

ヨーロッパ出身者初の落語家に

　落語家・三遊亭好楽さんの弟子で、江戸川区在住の三遊亭好青年さん。近頃は、ひらい圓藏亭（えんぞうてい）で開催された寄席に出演したり、タワーホール船堀で行われている短歌教室に参加したりと、公私ともに江戸川区での活動が増えているそうです。
　そんな好青年さんが日本の文化に興味を持ったきっかけは、地元・スウェーデンで「ドラゴンボール」「セーラームーン」などのアニメや漫画、テレビゲームに触れたこと。それから、ストックホルム大学で日本語を勉強し、交換留学という形で中央大学に編入します。

　落語に出会った経緯を伺うと、好青年さんは、「中央大学で落語研究会というサークルを偶然見つけまして、せっかく日本語を勉強するために来たのだから、チャレンジした方がいいかなと思って入りました。そこから、だんだん落語にハマっていきました。」と回答。ストックホルム大学に戻った後もスウェーデンで落語を続け、卒業論文も「落語」をテーマにするほどに熱中したそうです。山崎さんが「スウェーデンの方々は、落語に対してどんな反応でしたか？」と質問すると、好青年さんは「“こういう芸能もあるんだな”みたいな感じで、結構オープンな反応でした」と、当時を振り返ります。
　そして、大学卒業後に再び日本を訪れ、2016年7月に三遊亭好楽さんに入門。ヨーロッパ出身者初のプロの落語家になりました。なお、師匠である好楽さんの落語については、「すごく温もりがある感じがします。“この人は優しい”というのが落語を見れば分かります。」と話していました。

　好青年さんは、8ヵ国語を話す国際派落語家・三遊亭竜楽さんとのユニット「めにかる（メニーカルチャーズの略）」を2022年1月に結成しました。活動内容について伺うと、「竜楽師匠はヨーロッパ、私は日本を見たときのいろいろな文化の違いについて話したり、フランスに行った時には竜楽師匠がフランス語で落語を披露するなど、いろいろな言葉で落語を披露したりしています」と回答。落語やワークショップなどを通じて、江戸川区が推進している“多文化共生”について考えたり、SDGs活動を行ったりしているそうです。さらに、2024年夏からは、イギリス、フランス、スウェーデンを回って、落語を行う海外ツアーを予定しています。

未来にまちを残すために必要なことは？

　コーナータイトルに含まれている「2100年」には、いま生まれた子どもたちが平均寿命を迎える頃にも“住みやすい江戸川区を持続的に残す”という思いが込められています。そこで、「国をまたいで活動されている好青年さんが考える『住みやすいまち』とは何ですか？」と伺うと、好青年さんは、まず現在住んでいる江戸川区について、「江戸川区は住みやすいですね。なんとなく静かで（時間が）ゆったりしている感じがすごく好き」と回答しました。

　日本全体に目を向けると、快適で便利に暮らせることが魅力的な一方で、1人あたりのプラスチックごみの量が、アメリカに次いで世界で2番目に多い点に注目。住みやすいまちを続けていくため、今の便利さを犠牲にしないままプラスチックごみを減らす方法を見つける必要があると考え、「世界を未来の子どものために残したいです」と力を込めます。
　このコメントに対して、山崎さんは「専門家が考えていても、ちょっとずつしか進んでいませんから、もっと早く、解決策を見つけていかなければいけないなと思いますね」と賛同していました。